地域業者記事

「こんなにお客さんから愛されるなんて」タレなしでも美味しい台湾餃子を宮崎で

2021年4月には宮崎県門川町のふるさと納税業務を受託開始。一年目にして寄附件数が大幅にアップし、寄附金額は6億円を超え前年比3倍以上に。そんなLRが「伸び率がすごい」と驚いているのが、口福餃子専門店(以下、口福)。台湾出身の劉天祥さんが開いた、知る人ぞ知る名店だ。

奥さんと2人で丹精込めて作る餃子や小籠包などの点心は、ひとつ食べたら箸が止まらなくなる美味しさ。台湾から日本に渡り、ローカルの名店として約20年手仕事を続けてきた劉さんが、LRとの出会いで得たものを伺った。

餃子のまち宮崎の県民も納得の台湾餃子

ひとつひとつ皮から手作りするという、口福の台湾餃子。日本人の食習慣に合わせてタレが付いてくるものの、劉さんおすすめの食べ方はタレなしだ。

「台湾の餃子はニンニクが入っていなくて、具材のほとんどが肉です。野菜もネギとタケノコが少しだけ。味がしっかりついていますから、タレや醤油をつけないでそのまま食べられます。お店を始めたときに何回も試作し、お客さんの声を聞いてどんどん改良してきました。餃子は今、屋台餃子、海鮮餃子、ピリ辛餃子の3種類があります」

宮崎といえば2021年・2022年に餃子の「購入頻度」「支出金額」で日本一になったほど、餃子を食べる人が多い。購入頻度は2023年時点で4連覇中だ。そんな宮崎でも口福の餃子は絶大な人気を誇る。
「宮崎のお祭りや新田原基地エアフェスタなどイベントに参加すると、口福の餃子を知っている人が多いんだなと感じます」

ファンの期待を裏切らないように、味付けには細心の注意を払っているのだと教えてくれた。
「味はいつも確認しています。たとえば小籠包を作る前に、必ず具材を蒸して試食してから作るんですよ。『あれ? このお店いつもと味が違うな』とならないように気をつけています」
ふるさと納税では全国から注文が舞い込む。以前は餃子が目玉商品だったが、近年は小籠包が大人気だという。

「お客さんからは『美味しい。こういう味の小籠包は食べたことがない』と言ってもらっています。リピーターが多くて、LRの担当者さんも驚いているみたいです」

ふるさと納税の返礼品を出品した当初、こんなにも全国から注文が入るとは予想していなかったそう。
「LRさんが受託したら(門川町の寄附金額が)いきなり7億円近くに伸びました。事業者たちはみんなびっくりでしたよ!うちは全部手作りなので、私も妻も残業して作っていました。1年目は900件の注文が入って、2年目は1500件に増えて、本当にすごくびっくりしました。腱鞘炎になったり、関節が痛くなるくらいでした(笑)」

台北から宮崎へ。地域の温かさに励まされて

台北で生まれた劉さんが宮崎県にやってきたのは昭和59年。こんなに長く日本で暮らし、飲食店を開くとは考えていなかったという。

「普通のセールスマンだったのですが、小さい頃からの友達に『日本に飲茶と点心の食品工場を建てるんだ』と声をかけられて日本に来ました。最初は3か月間だけだと思っていたんですよ。台北は都市なので、宮崎県も東京みたいな都会だと思い込んでいたんです。ですが電車で宮崎県に着いたら……これは友達に騙されたなと思いました(笑)」

高千穂峡など美しい自然が豊かな宮崎県。海の幸にも山の幸にも恵まれる地域で、のどかな風景も魅力のひとつだ。 「宮崎県は人がすごく優しいです。工場ができて仕事が始まった頃、私は日本語が全然わからなくて。どこかに行きたいときは漢字を書いて、地域の人によく尋ねていました。すると、目的地まで連れて行ってくれるんです。食べ物を持ってきてくれる人も多いですね。最近も『疲れた時は栄養ドリンクだよ』と差し入れをくれるお客さんがいます。本当にすごくありがたいです。そういう優しさにすごく感動して、宮崎のことが好きになりました」

友人と一緒に始めた食品工場は、それから目まぐるしいほど多忙になった。
「工場を立ち上げてからは技術指導で中国、香港、タイ、インドネシアなどあちこち海外出張に行っていて、体を壊してしまいました。本当に忙しくて、半年以上は日本にいなかったです。宮崎に帰ってきても、すぐに東京や大阪へ出張で休みもなし。2人目の子供が生まれたときも、出産の翌日には中国出張で本当に大変でした」
多忙な日々を過ごす中、少しずつ独立開業を考えるように。

「餃子や小籠包、肉まんなどいろいろな食品を作ってきました。会社を辞めた当初は、台湾で台湾料理のお店を立ち上げたんです。でも子供たちが日本に住んでいたので、日本と台湾を行ったり来たり。それで台湾のお店は甥に任せて、私は宮崎に戻ってきました」

持ち帰り専門店の味が全国に届くようになるまで

心機一転、自分のお店を持つことになった劉さん。全国から注文が殺到するほどになるまでは、山あり谷ありの時期があった。
「餃子の専門店を始めたら、最初はすごく良かったんです。けれど、たった3、4か月間で売上が下がりました。このままではお店が潰れますよと言われて、別の商品を開発してメニューを増やしていきました」

ふるさと納税、中間事業者LR株式会社

近年でこそテイクアウトの利用者も増えたが、開業当時から持ち帰り専門店にしようと考えたのにはどんな理由があったのだろう。
「お店が狭いんですよ(笑)。当時は子供も小学生4年生で小さくて、手がかかる時期。お店に集中するのは難しいから持ち帰り専門店にしました。これは正解だったかもしれないですね。店内で餃子を食べられるお店にすると、お客さんがお酒を飲むじゃないですか(笑)。滞在の時間がすごく長くなるから、子供との時間が少なくなっていたと思います」

「営業も大変でした。言葉の問題があるでしょう。最初は自分で営業に行ったんですよ。でも門前払いになることが多くてすごく苦労したし辛かったです。それで商工会にお願いして一緒に営業に連れていってもらって、委託販売を受注したりしましたよ。(販売手数料が)30%でもお願いしました。とにかく名前を知ってほしかったんですね。商工会のおかげで少しずつ売上が上がってきて、門川町役場から声がかかり、ふるさと納税の返礼品を始めました」
以前はオンラインショップをしていたこともあったが、現在は店舗での販売とふるさと納税に集中しているという。

「オンラインショップは手が回らないんです。サイトを見ないといけないし、商品を作らなきゃいけないし。ですがふるさと納税はすごく楽ですよ。LRさんがいるので、私が毎日注文をチェックしなくてもいいんです」

「LRさんは年に3、4回お店に来てくれます。10月11月の繁忙期前にミーティングをすることが多くて、納期や配送の話をします。うちは全部手作りだから、一気にたくさんは作れません。そのため12月に受け付ける分の納期を、翌年の5月まで伸ばした年もありました。

発送の作戦会議のほか、商品企画でも意見を交わすことがあるのだとか。 「最近は単身赴任の人やお年寄りが多いらしくて『電子レンジで食べられるような簡単な商品がいいですよ』と教えてもらったこともあります。試作品はLRの担当者さんにもよく食べてもらいますね」

ふるさと納税を通して感じる“お客さんからの愛”

皮から手作りで餃子や小籠包を作るのには、体力やエネルギーが必要だ。さながらアスリートのように、劉さんは手を動かし続けている。
「特に餃子と肉まんを作るのがすっごく大変(笑)。うちは冷凍庫に囲まれているような小さなお店ですが、三越伊勢丹のネット販売から声がかかったこともありました。ふるさと納税の返礼品もあるので、200セットしか出せないと答えていたのですが、たくさん注文が入って600セット出すことに。その後も追加が入ったこともありましたが、納期を守ることができなくなりそうなので断っちゃいました」

ふるさと納税、中間事業者LR株式会社

「ふるさと納税を見ましたという営業電話がよく来ます。もったいないと言われるけれど、無理なことはしっかり伝えた方がいいなと思って断っています。自分だけでやるのはもう絶対無理です(笑)。LRさんにサポートしてもらって、ふるさと納税1本だけにしたのは正解でした。注文が入ったら、私たちは商品を作ります。すると後でLRさんが回収に来てくれます。すごく楽ですし、計画も立てやすいです」

夫婦2人きりで頑張ってきた時代があるからこそ、LRのサポートが身に染みるのだという。

「LRさんは勉強会を開くなど丁寧な説明をしてくれます。この間も(事業者向けの)説明会があったんですよ。今からどういう動きがあるのか、伸び率はどうなるかなど、数字にして資料をたくさん準備してくれました。すごくわかりやすいですし、門川町の事業者みんなが参考になると言っています」

「年末の忙しくなる前には、LRのみなさんが必ず挨拶に来てくれます。本社がある鹿児島からここまで来てくれるなんてすごくありがたいです。『注文が多くなるので、体に気を付けて頑張ってくださいね』と励ましてくれます」

創業からずっと手作りの味を守り続けている劉さん。その原動力はどこから湧いてくるのだろう。 「レビューを見ると2回目、3回目のリピーターさんが多くて、それが一番嬉しいです。こんなに小さいお店なのにみんなにすごく愛されているね、とよく言っています」

口福インスタグラム
https://www.instagram.com/kouhuku1959

LR HP
https://local-revitalization.co.jp

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